超映画批評『ゴースト・イン・ザ・シェル』

実写版攻殻機動隊に関して

 

先日、ついに『ゴースト・イン・ザ・シェル』を見てきた管理人である。

ビートたけし荒巻やスカーレット素子など、いろいろとツッコミ所が多いと評される今作であるが、個人的には思った以上に面白かったと思う。

日本人なのにスカーレット・ヨハンソンはどうなのか、という声をよく聞くが映画を見た人であればこのような意見はできないはずである。ネタバレをしないようにするため、細部に触れるつもりはないが、映画素子は原作素子と違った経緯をたどって完全義体化を果たしている。設定は巧妙で映画を見てもらえれば分かると思うが、素子の義体が西洋人だとしても全く問題ない、逆に日本人だと思えない所がミソとなって映画に展開していくようにできている。

冷静に考えてみれば、義体という存在は段階的に発展していけば、元の姿の傾向を持っていてもおかしくない。しかし素子の完全義体はそれこそ男でも老人でも、あるいは少年少女でさえも問題ないはずである。原作やアニメの”少佐”のイメージはあると思うが、同時に誰だかわからない素子にも魅力があるだろう。

ただべた褒めの感想であるが、実際想像していた1.5倍くらいは良い出来である。ビートたけしの荒巻は舌足らずでちょっと困るが、多脚戦車は原作より重厚でかっこいいし、バトーが義眼に変える過程なども面白い。原作のピースを組み替えてなお存在する攻殻らしさはハリウッドマネーでしかできないエンターテイメント性を合わせて構築できているように思う。

百聞は一見に如かず、是非見てみる事をお勧めする。

とはいえ、原作やアニメに存在するより深いテーマ(人間とロボットの差、ゴースト、概念)といったものには時間が足りていないのでやや不足気味であることを事前に承知しておいてもらいたい